JOURNAL

ベッド下の掃除をどう考えるか

ベッド下の掃除をどう考えるか

ベッドをご検討中のお客様と日々やり取りする中で、「ベッド下の掃除はどう考えていますか?」というご質問を頂くことがあります。おそらくENGAWA bedは市販のベッドに比べると高さが低い設計のため、ベッド下の掃除がしにくいと受け止められているからだと思います。 結論としましては、フロアワイパーでの掃除を想定している、というのが私たちの回答となります。その考え方に基づいてベッド下の床からの有効高さは5.5cmに設定しています。 今日はこの設計仕様に至った経緯をお話しようかと思います。 私自身、キレイ好きな性格でして、毎日部屋の掃除をしないと気がすまないということもあり、当初は「毎日ベッド下の掃除ができること」をベッド開発において重要視していました。 しかし、試作品を実際に使って実際に毎日生活してみると、ベッド下の奥の方まで入り込む量はホコリは少ないことが分かってきまして、普段の掃除は張り出したベッドサイドの下部分のみフロアワイパーを掛けて、月に数回程度、奥の方までフロアワイパーを滑らすという掃除ルーティンに落ち着きました。 いっそのこと、ベッド下を閉じてしまい、ホコリが入らないようにする設計も検討したのですが、通気を妨げることにもなりカビの発生リスクが上がってしまいます。 以上から、通気性を確保するためにベッド下はオープンな構造とするが、高さはフロアワイパーが入る最低限の高さに留め、建築空間と一体化するような「低く、広い」現在のプロポーションを大切にする、という結論に至りました。そのほうが愛着を持って長く使えると考えたからです。 一方で、ロボット掃除機が入るようにしたいというご要望にお応えしたいと考えておりまして、高さを更に5cm程度上げるための脚(後付できる別商品)を今年前半にリリースする計画になっております。 下の写真はそのプロトタイプを装着した写真です。ENGAWA bedは脚が見えない浮いたようなデザインが特徴ですが、後付の脚を取りつけた姿は、より日本建築である縁側らしいものとなる予定です。 商品を見る→  

ベッド下の掃除をどう考えるか

ベッドをご検討中のお客様と日々やり取りする中で、「ベッド下の掃除はどう考えていますか?」というご質問を頂くことがあります。おそらくENGAWA bedは市販のベッドに比べると高さが低い設計のため、ベッド下の掃除がしにくいと受け止められているからだと思います。 結論としましては、フロアワイパーでの掃除を想定している、というのが私たちの回答となります。その考え方に基づいてベッド下の床からの有効高さは5.5cmに設定しています。 今日はこの設計仕様に至った経緯をお話しようかと思います。 私自身、キレイ好きな性格でして、毎日部屋の掃除をしないと気がすまないということもあり、当初は「毎日ベッド下の掃除ができること」をベッド開発において重要視していました。 しかし、試作品を実際に使って実際に毎日生活してみると、ベッド下の奥の方まで入り込む量はホコリは少ないことが分かってきまして、普段の掃除は張り出したベッドサイドの下部分のみフロアワイパーを掛けて、月に数回程度、奥の方までフロアワイパーを滑らすという掃除ルーティンに落ち着きました。 いっそのこと、ベッド下を閉じてしまい、ホコリが入らないようにする設計も検討したのですが、通気を妨げることにもなりカビの発生リスクが上がってしまいます。 以上から、通気性を確保するためにベッド下はオープンな構造とするが、高さはフロアワイパーが入る最低限の高さに留め、建築空間と一体化するような「低く、広い」現在のプロポーションを大切にする、という結論に至りました。そのほうが愛着を持って長く使えると考えたからです。 一方で、ロボット掃除機が入るようにしたいというご要望にお応えしたいと考えておりまして、高さを更に5cm程度上げるための脚(後付できる別商品)を今年前半にリリースする計画になっております。 下の写真はそのプロトタイプを装着した写真です。ENGAWA bedは脚が見えない浮いたようなデザインが特徴ですが、後付の脚を取りつけた姿は、より日本建築である縁側らしいものとなる予定です。 商品を見る→  

インテリアコーディネート事例紹介

インテリアコーディネート事例紹介

関電不動産開発様のモデルルームのインテリアコーディネートを担当させて頂きました。 対象となる25平米の賃貸マンションに合わせ、ターゲットを、服もインテリアもシンプルで質の良いものを志向する層のひとり暮らしに設定し、フォルムや素材感にこだわりを感じるアイテムを取り入れることで、モダンでありながらも、手触りがある柔らかい印象を目指しました。この中でENGAWA bedを採用させて頂いております。 賃貸物件のインテリアですので「住みこなす」という考え方を前提としています。定数であるパラメーターを動かそうとするのではなく、活かすという視点です。本件では見え隠れを利用して奥行き感を演出し、キッチンの作業台も含めてオブジェクトの高さやボリュームでリズムを作りました。 商品を見る→ (写真:関電不動産開発)

インテリアコーディネート事例紹介

関電不動産開発様のモデルルームのインテリアコーディネートを担当させて頂きました。 対象となる25平米の賃貸マンションに合わせ、ターゲットを、服もインテリアもシンプルで質の良いものを志向する層のひとり暮らしに設定し、フォルムや素材感にこだわりを感じるアイテムを取り入れることで、モダンでありながらも、手触りがある柔らかい印象を目指しました。この中でENGAWA bedを採用させて頂いております。 賃貸物件のインテリアですので「住みこなす」という考え方を前提としています。定数であるパラメーターを動かそうとするのではなく、活かすという視点です。本件では見え隠れを利用して奥行き感を演出し、キッチンの作業台も含めてオブジェクトの高さやボリュームでリズムを作りました。 商品を見る→ (写真:関電不動産開発)

ENGAWA bed 開発ノート

ENGAWA bed 開発ノート

現代のようにベッドで眠るというライフスタイルが日本で登場したのは、明治から大正に向かう頃と言われています。現在日本で一般的に使われているベッドは、基本的にはこの西洋式を踏襲しています。しかし、日本の文化・風土に合ったベッドのカタチがあるのではないかとずっと考えていました。そうしてたどり着いたのがこの「低く、広い」すのこベッドです。 日頃から在宅ワークが多い私は、朝、昼、夕と、家の中で場所を転々と移動しながら仕事をしています。そんな「在宅ノマドワーカー」にとって、ENGAWA bedのサイドフレームは大切なワークスペースの一つ。低い座が新鮮で、集中力が戻ってきます。もちろん、本を読んだり、リラックスの場所として、ソファのような使い方もしています。 その佇まいにおいても、家の中のくつろげる場所という意味でも、まさに現代の「縁側」と言うことができるかもしれません。 この開発ノートでは、開発プロセスでの気付きや、デザインの裏側の意図を記録しておこうと思います。 肌なじみがよいロースタイル 日本では畳の文化、床座のスタイルです。畳の上に直接布団を敷いて就寝してきました。そのためか高さが低いベッドの方が肌なじみが良い気がしています。感度が高いライフスタイルホテルなどでロースタイルベッドをよく目にするのもそのためでしょうか。 一方で、自宅用に市販のローベッドを探してみても、なかなか思い通りのものが見つけられませんでした。ベッドを部屋のインテリアとしてまとめ上げるような、スッとラインが通ったベッドフレームを作ろうと思いました。 寝心地も、居心地も、いいベッド 都心のマンションは家賃が高いこともあって、わたしはこれまで一貫して「小さな部屋」に住んできました。 大学進学と同時にはじめたひとり暮らしを始めたお部屋は、6畳の洋室にこじんまりとしたキッチンが付いた、典型的な1Kの間取り。その後何度か引っ越しを経た今でも、35平米の賃貸マンションに夫婦ふたり暮らしです。 当時からインテリアが好きだった私は、家具を置いたらすぐに一杯になってしまうスペースを相手に、狭くてもすっきり心地よい空間にするにはどうしたらよいか、ありとあらゆる方法を試してきました。 そうして20年(年を取ったもんだ!)の約試行錯誤を経た今、小さな部屋でもインテリアを楽しむコツをひとつ挙げるとすれば「兼用の推進」を真っ先に推します。ひとつで二役、三役と、多用途に使える道具を選ぶことで、物を減らすことができるからです。 そして、最もスペースを取る家具と言ってもいいベッドをマルチユース化するのが、このENGAWA bedです。そのフレームは、複数の役割を担うことができる、まさにベッドとサイドテーブルとソファをひとつにしたプロダクトと言うことができます。狭い部屋に住んでいる方にこそ使ってほしいと思います。 左右非対称 さっそくCADに向かい、思い描いたイメージを形に落としていきます。そして、ホームセンターで入手できる杉の無垢材を使ってプロトタイプを作りました。これを実際に自宅で使ってみて、使い心地を検証しました。ここでいくつか大きな気付きを得られました。 まずは壁付対応。当初のデザインだと、マットレスの側面を壁付けして置きたい場合、すのこが見えてしまう点が気になっていました。特に私が住んできたようなコンパクトな部屋だとそういう置き方をするケースが多いはず。 単純にフレームの幅を内側に広げると解決はできますが、すのこエリアが小さくなり、マットレスの通気を妨げてしまいますし、材料コストも上がります。 そこで、「上下対称・左右非対称」のカタチで解決しました。(逆側に寄せたい場合はフレームを180度回転) サイズ選びは余白選び もう一つ気になったのは、「余白スペースに座る」を実現しようとすると、フレーム幅が30cm近く必要となり、ベッドがかなり大型化してしまうこと。 そこで、ご自宅のスペース事情に応じて、余白の大きさを選べるようにサイズ展開を設計しました。 例えばダブルサイズのマットレスを使う場合、座れるほどのたっぷりの余白が欲しい場合は「w1680」を、ほどほどの余白で良い場合は「w1480」を選ぶ、といった具合に、同じマットレスサイズでも、余白の大きさを選ぶことができます。 ちなみに、このサイズの呼び名は、通常の、シングル、ダブルと言った呼び方ではなく、ベッドフレームの外寸幅に基づいた表記にしました。マットレスに合わせてフレームサイズを選ぶ、のではなく、ほしい余白からフレームサイズを選ぶ、という考え方をして欲しかったためです。 選べる3つの余白スタイル 以上のブラッシュアップを経て、主に3種類の余白スタイルを選べるベッドフレームとなりました。 A. 両サイドほどほど余白ベッドの両サイドにそれぞれ14cm幅の余白を作るスタイル。単行本やめがねを置くことができます。 B....

ENGAWA bed 開発ノート

現代のようにベッドで眠るというライフスタイルが日本で登場したのは、明治から大正に向かう頃と言われています。現在日本で一般的に使われているベッドは、基本的にはこの西洋式を踏襲しています。しかし、日本の文化・風土に合ったベッドのカタチがあるのではないかとずっと考えていました。そうしてたどり着いたのがこの「低く、広い」すのこベッドです。 日頃から在宅ワークが多い私は、朝、昼、夕と、家の中で場所を転々と移動しながら仕事をしています。そんな「在宅ノマドワーカー」にとって、ENGAWA bedのサイドフレームは大切なワークスペースの一つ。低い座が新鮮で、集中力が戻ってきます。もちろん、本を読んだり、リラックスの場所として、ソファのような使い方もしています。 その佇まいにおいても、家の中のくつろげる場所という意味でも、まさに現代の「縁側」と言うことができるかもしれません。 この開発ノートでは、開発プロセスでの気付きや、デザインの裏側の意図を記録しておこうと思います。 肌なじみがよいロースタイル 日本では畳の文化、床座のスタイルです。畳の上に直接布団を敷いて就寝してきました。そのためか高さが低いベッドの方が肌なじみが良い気がしています。感度が高いライフスタイルホテルなどでロースタイルベッドをよく目にするのもそのためでしょうか。 一方で、自宅用に市販のローベッドを探してみても、なかなか思い通りのものが見つけられませんでした。ベッドを部屋のインテリアとしてまとめ上げるような、スッとラインが通ったベッドフレームを作ろうと思いました。 寝心地も、居心地も、いいベッド 都心のマンションは家賃が高いこともあって、わたしはこれまで一貫して「小さな部屋」に住んできました。 大学進学と同時にはじめたひとり暮らしを始めたお部屋は、6畳の洋室にこじんまりとしたキッチンが付いた、典型的な1Kの間取り。その後何度か引っ越しを経た今でも、35平米の賃貸マンションに夫婦ふたり暮らしです。 当時からインテリアが好きだった私は、家具を置いたらすぐに一杯になってしまうスペースを相手に、狭くてもすっきり心地よい空間にするにはどうしたらよいか、ありとあらゆる方法を試してきました。 そうして20年(年を取ったもんだ!)の約試行錯誤を経た今、小さな部屋でもインテリアを楽しむコツをひとつ挙げるとすれば「兼用の推進」を真っ先に推します。ひとつで二役、三役と、多用途に使える道具を選ぶことで、物を減らすことができるからです。 そして、最もスペースを取る家具と言ってもいいベッドをマルチユース化するのが、このENGAWA bedです。そのフレームは、複数の役割を担うことができる、まさにベッドとサイドテーブルとソファをひとつにしたプロダクトと言うことができます。狭い部屋に住んでいる方にこそ使ってほしいと思います。 左右非対称 さっそくCADに向かい、思い描いたイメージを形に落としていきます。そして、ホームセンターで入手できる杉の無垢材を使ってプロトタイプを作りました。これを実際に自宅で使ってみて、使い心地を検証しました。ここでいくつか大きな気付きを得られました。 まずは壁付対応。当初のデザインだと、マットレスの側面を壁付けして置きたい場合、すのこが見えてしまう点が気になっていました。特に私が住んできたようなコンパクトな部屋だとそういう置き方をするケースが多いはず。 単純にフレームの幅を内側に広げると解決はできますが、すのこエリアが小さくなり、マットレスの通気を妨げてしまいますし、材料コストも上がります。 そこで、「上下対称・左右非対称」のカタチで解決しました。(逆側に寄せたい場合はフレームを180度回転) サイズ選びは余白選び もう一つ気になったのは、「余白スペースに座る」を実現しようとすると、フレーム幅が30cm近く必要となり、ベッドがかなり大型化してしまうこと。 そこで、ご自宅のスペース事情に応じて、余白の大きさを選べるようにサイズ展開を設計しました。 例えばダブルサイズのマットレスを使う場合、座れるほどのたっぷりの余白が欲しい場合は「w1680」を、ほどほどの余白で良い場合は「w1480」を選ぶ、といった具合に、同じマットレスサイズでも、余白の大きさを選ぶことができます。 ちなみに、このサイズの呼び名は、通常の、シングル、ダブルと言った呼び方ではなく、ベッドフレームの外寸幅に基づいた表記にしました。マットレスに合わせてフレームサイズを選ぶ、のではなく、ほしい余白からフレームサイズを選ぶ、という考え方をして欲しかったためです。 選べる3つの余白スタイル 以上のブラッシュアップを経て、主に3種類の余白スタイルを選べるベッドフレームとなりました。 A. 両サイドほどほど余白ベッドの両サイドにそれぞれ14cm幅の余白を作るスタイル。単行本やめがねを置くことができます。 B....

KOROMO table top 開発ノート

KOROMO table top 開発ノート

「部屋の模様替えに合わせてテーブル天板もコーディネートできたら...」「でもテーブルはそんなに頻繁に買い換えられない..」「まだ使えるテーブルをゴミにするのも心が痛む...(送料が高額になる大型家具はメルカリでも売れにくい)」 と思考がぐるぐるループすることがしばしばありました。このジレンマが出発点となって、乗せるだけで天板を着せ替えるプロダクトが生まれたのですが、今一度、その詳細や製品開発の裏側に秘めた考え方をお伝えしようと思います。 1.どんなアイテム? 手持ちのテーブルやデスクの上に乗せるだけで、天板の質感を生まれ変わらせるテーブルトップです。お弁当の蓋のような形になっており、既存の天板を覆い一体化します。  このシンプルな縁が立ち上がっているカタチは、手持ちの天板を覆い隠すという役割に加え、koromo本体の天面のソリ防止という役割も担っています。はい、そうです、私が愛する「ひとつ二役」のデザインです。 2.リノリウムを使うことを決めていた このプロダクトのアイディアを思いついた時から、天面の素材にはファニチャーリノリウムを使うことを決めていました。(のちにメラミン化粧板タイプも追加)なぜなら「資源の有効利用」というプロダクトテーマにもピッタリ合うし、機能性、質感の高さも、全てがハマったからです。 リノリウムとは、アマニ油など亜⿇仁油を主原料に松脂、⽊粉などすべて天然の材料から製造された、自然素材です。廃棄時には⼟に還る⽣物分解性も備えており、地球に優しいエコ素材として注目されています。加えて、木のような温かみ、柔らかさがあり、同時に、洗練されたマットな質感が魅力。イメージとしては本皮のような質感です。 さらに、植物由来の抗菌抗ウイルス性に優れるため、手に触れる機会が多いテーブルやデスクに適しています。そのデザイン性と実用性から北欧でも古くから家具材としてよく使われています。 実際使ってみると、リノリウム天板は置いたモノを引き立てくれるなぁと日々感じます。シャドウの落ち方がふわっと柔らかくて、品位があります。 カラーは雰囲気があるグレージュカラーとシックなマットブラックの2色展開です。一般的に黒のダイニングテーブルは重くなりますが、こちらはマットでソフトな質感のため、シックで大人っぽいです。 また、光の反射が柔らかので、ペンダントライトをつけてもギラギラしません。夜のテーブルウエアもふわっと引き立ててくれます。   3.すっきりした印象のホワイトカラー リノリウムには白がなかったため、メラミンで制作しました。メラミン素材は、オフィスや飲食店でも使われる、傷や熱に強く、汚れがつきにくい素材で、日々のお手入れがラクです。暮らしに馴染むよう、ザラザラとしたマットな質感タイプを選定しました。 側面に施したオーク材との相性がよく、デスクとしても、ダイニングテーブルとしても、すっきりとした清潔感があるインテリアを演出してくれます。 4.繊細な職人の手仕事は細部に宿る 側面には天面をぐるっと囲うようにオーク無垢材を合わせたデザインになっています。シンプルが故に、この異素材の面合わせや四隅のオークどうしの面合わせの精度がそのまま表に出る、ごまかしができないデザインです。 このプロジェクトを始めてから、市販品の類似のデザインのテーブルやデスクの仕上げをしげしげ見るようになったのですが(←周りから見たらアヤシイ人)、海外で製造されている量産品は、面と面の合わせの処理が雑で、やはり値段相応な印象です。 一方、本製品は、福岡の家具工房にて、職人が丁寧に手作業で製造していることもあり、量産品にはない高い品位と温かさがあります。先日、検品の立ち会いに工場に伺ったのですが、職人さんいわく、リノリウムとオークの面合わせついては相当気を付けて制作頂いているとのことでした。(本当にありがとうございます!) 家で過ごす時間が増え、毎日目に入り、手に触れるモノだからこの「仕上げのよさ」と「どこで誰が作っているか見える」は今求められている価値なのではと考えています。   5.サイズ展開の壁 製品化にあたり、最後まで頭を悩ませたのは、サイズ展開。「手持ちのテーブルに乗せる」というコンセプトだから、サイズはオーダーメイドが理想。しかし、工場での生産性という観点から見るとからすると効率が下がり、そのまま販売価格が上がることになります。 そこで、市販のテーブルやデスクを調査し、よく売られているサイズにある程度絞り、そこから選んでもらう、セミオーダー形式としました。具体的には、幅・奥行きの組み合わせで26サイズ用意しています。 このような生産の工夫など、スタイリング以外の部分がよいものを作るためには重要だったりします。 6.未来のためにできること 私達が未来の環境のためにできることは、今ある資源を永く使い続けることです。なので、新しい製品を作ること自体にあまり前向きではありません。でも、既にある家具を生まれ変わらせ、永く使い続けるための製品には意味があるのではと思い製品化しました。 作るからにはと、サステナブルな素材である、リノリウムや自然塗料を使うなど、材料にも配慮しています。加えて、日本のものづくりを応援したいという想いから日本の工場で生産しています。  ...

KOROMO table top 開発ノート

「部屋の模様替えに合わせてテーブル天板もコーディネートできたら...」「でもテーブルはそんなに頻繁に買い換えられない..」「まだ使えるテーブルをゴミにするのも心が痛む...(送料が高額になる大型家具はメルカリでも売れにくい)」 と思考がぐるぐるループすることがしばしばありました。このジレンマが出発点となって、乗せるだけで天板を着せ替えるプロダクトが生まれたのですが、今一度、その詳細や製品開発の裏側に秘めた考え方をお伝えしようと思います。 1.どんなアイテム? 手持ちのテーブルやデスクの上に乗せるだけで、天板の質感を生まれ変わらせるテーブルトップです。お弁当の蓋のような形になっており、既存の天板を覆い一体化します。  このシンプルな縁が立ち上がっているカタチは、手持ちの天板を覆い隠すという役割に加え、koromo本体の天面のソリ防止という役割も担っています。はい、そうです、私が愛する「ひとつ二役」のデザインです。 2.リノリウムを使うことを決めていた このプロダクトのアイディアを思いついた時から、天面の素材にはファニチャーリノリウムを使うことを決めていました。(のちにメラミン化粧板タイプも追加)なぜなら「資源の有効利用」というプロダクトテーマにもピッタリ合うし、機能性、質感の高さも、全てがハマったからです。 リノリウムとは、アマニ油など亜⿇仁油を主原料に松脂、⽊粉などすべて天然の材料から製造された、自然素材です。廃棄時には⼟に還る⽣物分解性も備えており、地球に優しいエコ素材として注目されています。加えて、木のような温かみ、柔らかさがあり、同時に、洗練されたマットな質感が魅力。イメージとしては本皮のような質感です。 さらに、植物由来の抗菌抗ウイルス性に優れるため、手に触れる機会が多いテーブルやデスクに適しています。そのデザイン性と実用性から北欧でも古くから家具材としてよく使われています。 実際使ってみると、リノリウム天板は置いたモノを引き立てくれるなぁと日々感じます。シャドウの落ち方がふわっと柔らかくて、品位があります。 カラーは雰囲気があるグレージュカラーとシックなマットブラックの2色展開です。一般的に黒のダイニングテーブルは重くなりますが、こちらはマットでソフトな質感のため、シックで大人っぽいです。 また、光の反射が柔らかので、ペンダントライトをつけてもギラギラしません。夜のテーブルウエアもふわっと引き立ててくれます。   3.すっきりした印象のホワイトカラー リノリウムには白がなかったため、メラミンで制作しました。メラミン素材は、オフィスや飲食店でも使われる、傷や熱に強く、汚れがつきにくい素材で、日々のお手入れがラクです。暮らしに馴染むよう、ザラザラとしたマットな質感タイプを選定しました。 側面に施したオーク材との相性がよく、デスクとしても、ダイニングテーブルとしても、すっきりとした清潔感があるインテリアを演出してくれます。 4.繊細な職人の手仕事は細部に宿る 側面には天面をぐるっと囲うようにオーク無垢材を合わせたデザインになっています。シンプルが故に、この異素材の面合わせや四隅のオークどうしの面合わせの精度がそのまま表に出る、ごまかしができないデザインです。 このプロジェクトを始めてから、市販品の類似のデザインのテーブルやデスクの仕上げをしげしげ見るようになったのですが(←周りから見たらアヤシイ人)、海外で製造されている量産品は、面と面の合わせの処理が雑で、やはり値段相応な印象です。 一方、本製品は、福岡の家具工房にて、職人が丁寧に手作業で製造していることもあり、量産品にはない高い品位と温かさがあります。先日、検品の立ち会いに工場に伺ったのですが、職人さんいわく、リノリウムとオークの面合わせついては相当気を付けて制作頂いているとのことでした。(本当にありがとうございます!) 家で過ごす時間が増え、毎日目に入り、手に触れるモノだからこの「仕上げのよさ」と「どこで誰が作っているか見える」は今求められている価値なのではと考えています。   5.サイズ展開の壁 製品化にあたり、最後まで頭を悩ませたのは、サイズ展開。「手持ちのテーブルに乗せる」というコンセプトだから、サイズはオーダーメイドが理想。しかし、工場での生産性という観点から見るとからすると効率が下がり、そのまま販売価格が上がることになります。 そこで、市販のテーブルやデスクを調査し、よく売られているサイズにある程度絞り、そこから選んでもらう、セミオーダー形式としました。具体的には、幅・奥行きの組み合わせで26サイズ用意しています。 このような生産の工夫など、スタイリング以外の部分がよいものを作るためには重要だったりします。 6.未来のためにできること 私達が未来の環境のためにできることは、今ある資源を永く使い続けることです。なので、新しい製品を作ること自体にあまり前向きではありません。でも、既にある家具を生まれ変わらせ、永く使い続けるための製品には意味があるのではと思い製品化しました。 作るからにはと、サステナブルな素材である、リノリウムや自然塗料を使うなど、材料にも配慮しています。加えて、日本のものづくりを応援したいという想いから日本の工場で生産しています。  ...

ちょっといい「これで十分」/nuffに込めた想い

ちょっといい「これで十分」/nuffに込めた想い

数年前から個人的にものづくりを行ってきたのですが、この度、新たにプロダクトブランドnuffとして名前を付け活動していくことにしました。 今、複数の商品開発をバタバタと行っている真っ只中ではあるのですが、どのような考えでモノづくりに向き合っていくか、今の考えを記し、何かに迷ったときに立ち返ることができるようにしておこうと思います。 挨拶 SNSではTommyという名前で活動している田口智祥と申します。私は大学と大学院で、工学設計とインダストリアルデザインを学んだ後に、精密機器メーカーに就職し、デザイナーとして、商品企画、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザインなどを中心に広く携わっています。  部品点数が多く複雑な製品を扱うメーカーでは、デザイナーが関われるのはコンセプトメイキングやスタイリングなど、ものづくりのプロセスのごく一部になってしまいます。デザイナーはデザインしたものを伝えて売るところまでやるべきと感じることが多く、その実践の場を探っておりました。 葛藤 日々新商品が生まれは消えていきます。こんなに物で溢れているのに、新たに資源を投入して新商品をつくる必要があるのか、わずかに外観を変えただけの商品に作る価値があるのかと、ものづくりを志して大学生をしていた頃から、違和感を感じていました。 世の中に良いものがあれば、それを紹介して販売すればよいし、なければ新しくデザインすればよい。そういうスタンスでこのプロジェクトを始めることにしました。 ですので、新しく商品化する場合には、着想にオリジナリティがあったり、健康的な物作りとなっていたり、作る価値があると言えることを条件にしています。 自分のデザインを俯瞰しながら「これは作る価値がある」と「これは作る価値がない」の間で揺れながら、ものづくりをしていくのだろうと思っています。 使命 現代の生活は、利便性を求め、物で溢れた結果、本来私たちの能力を引き出すはずの物によって、くらしが圧迫されていると感じることがあります。 私の普段のSNSの発信活動の根底には、部屋と暮らしと仕事は地続きでつながっており、部屋を整えることは心豊かな日々に導くという考えがあります。 物で溢れ、複雑になった現代の日々に寄り添い、より少なく、より心豊かに暮らすためのモノのカタチを探求し、さらには、暮らしに対する感性が豊かになるモノを提供していきたいです。 哲学 暮らしをシンプルにする物って、どんなカタチをしているのでしょうか。私は「enough」という言葉に可能性を感じました。「enough」とは、「これで十分」という意味で、ブランド名の由来にもなっています。 Azby Brownの著書「Just Enough: Lessons from Japan for Sustainable Living, Architecture, and Design」では、江戸時代の日本の暮らしに言及し、その「足るを知る」暮らし方、無駄のない、けれど満ち足りた生活を指して「Just Enough」と表現しています。 同じ考え方でプロダクトをデザインするとどうなるでしょうか。...

ちょっといい「これで十分」/nuffに込めた想い

数年前から個人的にものづくりを行ってきたのですが、この度、新たにプロダクトブランドnuffとして名前を付け活動していくことにしました。 今、複数の商品開発をバタバタと行っている真っ只中ではあるのですが、どのような考えでモノづくりに向き合っていくか、今の考えを記し、何かに迷ったときに立ち返ることができるようにしておこうと思います。 挨拶 SNSではTommyという名前で活動している田口智祥と申します。私は大学と大学院で、工学設計とインダストリアルデザインを学んだ後に、精密機器メーカーに就職し、デザイナーとして、商品企画、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザインなどを中心に広く携わっています。  部品点数が多く複雑な製品を扱うメーカーでは、デザイナーが関われるのはコンセプトメイキングやスタイリングなど、ものづくりのプロセスのごく一部になってしまいます。デザイナーはデザインしたものを伝えて売るところまでやるべきと感じることが多く、その実践の場を探っておりました。 葛藤 日々新商品が生まれは消えていきます。こんなに物で溢れているのに、新たに資源を投入して新商品をつくる必要があるのか、わずかに外観を変えただけの商品に作る価値があるのかと、ものづくりを志して大学生をしていた頃から、違和感を感じていました。 世の中に良いものがあれば、それを紹介して販売すればよいし、なければ新しくデザインすればよい。そういうスタンスでこのプロジェクトを始めることにしました。 ですので、新しく商品化する場合には、着想にオリジナリティがあったり、健康的な物作りとなっていたり、作る価値があると言えることを条件にしています。 自分のデザインを俯瞰しながら「これは作る価値がある」と「これは作る価値がない」の間で揺れながら、ものづくりをしていくのだろうと思っています。 使命 現代の生活は、利便性を求め、物で溢れた結果、本来私たちの能力を引き出すはずの物によって、くらしが圧迫されていると感じることがあります。 私の普段のSNSの発信活動の根底には、部屋と暮らしと仕事は地続きでつながっており、部屋を整えることは心豊かな日々に導くという考えがあります。 物で溢れ、複雑になった現代の日々に寄り添い、より少なく、より心豊かに暮らすためのモノのカタチを探求し、さらには、暮らしに対する感性が豊かになるモノを提供していきたいです。 哲学 暮らしをシンプルにする物って、どんなカタチをしているのでしょうか。私は「enough」という言葉に可能性を感じました。「enough」とは、「これで十分」という意味で、ブランド名の由来にもなっています。 Azby Brownの著書「Just Enough: Lessons from Japan for Sustainable Living, Architecture, and Design」では、江戸時代の日本の暮らしに言及し、その「足るを知る」暮らし方、無駄のない、けれど満ち足りた生活を指して「Just Enough」と表現しています。 同じ考え方でプロダクトをデザインするとどうなるでしょうか。...

ENGAWA bed サイズの選び方

ENGAWA bed サイズの選び方

5サイズ展開 ENGAWA bedは「w1250」〜「w2080」の5サイズ展開のベッドフレームです。 このサイズの選び方について解説していきます。 3つの余白スタイル ENGAWA bedはマットレスサイズとの組み合わせと置き方により、主に3つの余白スタイルを作ることができます。ですので、まずはどのスタイルが自分に合っているのか選びます。   A.両サイドほどほど余白 ベッドの両サイドにそれぞれ14cm幅の余白を作るスタイル。スマホや単行本を置くことができます。 B.片側のみたっぷり余白 マットレスを片側に寄せ、片側のみに28cm幅の余白を作るスタイル。腰掛けたり、照明を置くことができます。マットレスを端に寄せてもすのこが見えない仕様です。 C.両サイドたっぷり余白 ベッドの両サイドに30cmと18cm幅の余白を作るスタイルです。(両サイドで幅が異なります) 以上のA〜Cのスタイルは、マットレスサイズとベッドフレームサイズの組み合わせ方により選択します。 例えば、セミダブルのマットレスを使用するとします。下の図のようにスタイルAとスタイルBはどちらもベッドフレームサイズはw1480を組合せて作ることができます。一方、Cのスタイルはベッドフレームサイズを1つ上げてw1680を組合せることで作ることができます。   各スタイルを作るフレームサイズとマットレスサイズの組み合わせ対応表は下記の通りです。この表から使いたいマットレスサイズとスタイルに対応するENGAWA bedのサイズを選択します。 マットレスとの組み合わせイメージ また、各組み合わせのサイズ感のイメージは下記の通りです。ENGAWA bedのサイズ選びの参考にしてください。   【注意】 マットレスサイズは日本で一般的とされる、無印良品等のメーカーで採用されているサイズを想定しています。正確に検討するためにご使用予定のマットレスのサイズをご確認ください。本ページの一番下フレームサイズの仕様を掲載しております。   [シングルサイズマットレスを使う場合]   [セミダブルサイズマットレスを使う場合]  ...

ENGAWA bed サイズの選び方

5サイズ展開 ENGAWA bedは「w1250」〜「w2080」の5サイズ展開のベッドフレームです。 このサイズの選び方について解説していきます。 3つの余白スタイル ENGAWA bedはマットレスサイズとの組み合わせと置き方により、主に3つの余白スタイルを作ることができます。ですので、まずはどのスタイルが自分に合っているのか選びます。   A.両サイドほどほど余白 ベッドの両サイドにそれぞれ14cm幅の余白を作るスタイル。スマホや単行本を置くことができます。 B.片側のみたっぷり余白 マットレスを片側に寄せ、片側のみに28cm幅の余白を作るスタイル。腰掛けたり、照明を置くことができます。マットレスを端に寄せてもすのこが見えない仕様です。 C.両サイドたっぷり余白 ベッドの両サイドに30cmと18cm幅の余白を作るスタイルです。(両サイドで幅が異なります) 以上のA〜Cのスタイルは、マットレスサイズとベッドフレームサイズの組み合わせ方により選択します。 例えば、セミダブルのマットレスを使用するとします。下の図のようにスタイルAとスタイルBはどちらもベッドフレームサイズはw1480を組合せて作ることができます。一方、Cのスタイルはベッドフレームサイズを1つ上げてw1680を組合せることで作ることができます。   各スタイルを作るフレームサイズとマットレスサイズの組み合わせ対応表は下記の通りです。この表から使いたいマットレスサイズとスタイルに対応するENGAWA bedのサイズを選択します。 マットレスとの組み合わせイメージ また、各組み合わせのサイズ感のイメージは下記の通りです。ENGAWA bedのサイズ選びの参考にしてください。   【注意】 マットレスサイズは日本で一般的とされる、無印良品等のメーカーで採用されているサイズを想定しています。正確に検討するためにご使用予定のマットレスのサイズをご確認ください。本ページの一番下フレームサイズの仕様を掲載しております。   [シングルサイズマットレスを使う場合]   [セミダブルサイズマットレスを使う場合]  ...