nuff Living Stories 02|撮影と暮らしが重なる部屋の整え方

 

nuffのプロダクトが私たちの手を離れ、誰かの暮らしの風景の一部として物語を紡いでいく。その物語をたどるようにオーナーさんのご自宅を訪ね、空間づくりと暮らしのヒントを紐解く「nuff Living Stories」。

今回訪ねたのは、フォトグラファー/映像クリエイターのYUMA KURITAさん(以後 栗田さん)(29歳)。

都内の閑静な住宅街に建つマンションの一室。窓の大きな南向きのワンルームは、栗田さんの住まいであり、撮影スタジオでもあります。仕事の場と暮らしの場が一続きになった部屋と、そこでの暮らしについてお話を伺いました。


家具は、仕事への投資、暮らしへの投資

—— まず、ご自宅について伺わせてください。この物件は何が決め手でしたか。

オールステンレスのキッチンに惹かれました。キッチンでの撮影が多いこともあって、見つけたときに「絶対ここがいい」と。翌日に内見して、その日のうちに申し込みました。

—— 撮影のお仕事に力を入れつつ、家具や暮らしにもしっかり力を入れているように見えます。

学生のころから、ずっと家具が好きなんです。高校生のときはお年玉をすべて家具に使っていました。背の高い棚を買って、飲めもしないワイングラスを、雑誌をまねて並べたり。

当初は単なる趣味だったんですが、写真を仕事にしようと思ったとき、単なる物撮りより、暮らしの中のイメージ写真や動画の方が強みを生かせるなと。暮らしのイメージを撮るなら、家具もちゃんとそろえたほうがいい。好きだったものが、結局そのまま仕事の一部になりました。

—— 20代の私なら、買うのを躊躇しそうな高価な家具(KARIMOKU CASE等)もあります。

勇気はいりました(笑)。これを買ったのは3年ほど前ですが、今はかなり値上がりしてしまいました。こういう家具を家に置いているフォトグラファーはほとんどいないので、クライアントにとっては差別化になります。そう考えると、家具は投資ですね。

—— 好きな家具をそろえた空間で暮らしてみて、いかがですか。

とても気分が上がります。朝起きて、ベッドから部屋を見渡す景色が一番好きなんです。「リビングの扉を開けたときの景色を基準にする」と話している方がいましたが、僕の基準は、朝起きて最初に目に入る景色。

朝一番に自分の部屋を見て「好きだな」と思えると、気持ちよく一日を始められる。家具に元気をもらっています。

時間に句読点を打つ

キッチンには、コーヒー器具と食器が整然と並びます。取材中、コーヒーを淹れてくださいました。

—— SNSではコーヒー器具の発信もされています。よく飲まれているのですか。

僕は朝がすごく苦手で、なかなか起きられないんです。でも、コーヒーを淹れたい、飲みたいと思うと、スッと起きられる。

仕事は家でする日が多いですが、ずっと家にいると煮詰まってくる。そんなときに豆を挽いて淹れるという一連の動作が、いい気分転換になるんです。自宅が仕事場だと、どうしても暮らしと仕事のメリハリがなくなってくる。コーヒーは時間に句読点を打ってくれるんです。

—— 夜もコーヒーを飲まれているのですか。

夜は台湾茶です。去年、台湾に行ってから好きになって。気分を上げるスイッチがコーヒーだとすれば、オフにするのが台湾茶。飲み物で一日のリズムをつくっています。

軽すぎず、重すぎず

—— 家具は、どういう基準で選んでいますか。

空間の印象として「軽すぎず、重すぎず」バランスをとることを大切にしています。

たとえば木の家具なら、ウォールナットのようなダークトーンは重く、重厚になる。バーチのようなライトトーンは軽やかになる。写真や映像のスタイリングでも、ものの軽い・重いはすごく意識するのですが、それを空間全体にも当てはめている感じです。

白やライトグレーを中心に、中間色としてオークを乗せる。そのうえに、ラグや椅子で小さく黒を足しています。キッチンワゴンは「シルバーが欲しい」と思って選びました。そうやって色の濃淡と素材のバランスを、ニュートラルに整えています。

—— ものが少ないわけではないのに全体の調和がとれているのは、家具を色と素材で見てバランスを取っているからなんですね。

仕事柄、いろいろなトーンの撮影をするので、部屋自体はどちらにも振れるニュートラルな状態にしておきたいんです。しかも、ちょうどそこが自分の好きなトーンでした。

パリの部屋で学んだ、差し色

—— インテリアの情報はどこから得ていますか。

雑誌をよく読みます。あとはYouTube。海外の「Never Too Small」をよく見ています。だからこの家のトーンも、日本らしいというより、少し海外のテイストが入っていると思います。

—— インテリアで影響を受けたものはありますか。

パリに暮らす人たちの特集号です。パリの人たちは、日本の人よりずっといろいろなものを置いているのに、全体がまとまっておしゃれに見える。

トーンを整えたうえで差し色を入れてみようと思ったのは、この本がきっかけでした。ピンクの道具を選ぶようになったのも、この本を見てからです。

本当は、撮影がなければもっとものを置きたいんです。でも撮影のたびに片づけるのは大変なので、今くらいに抑えています。

ベッドでインテリアの雰囲気をつくる

部屋のいちばん奥、窓際にENGAWA bedが収まっています。測ったかのようにぴったりです。

—— ENGAWA bedをお使いいただいています。選んでいただいた理由を教えてください。

理由はたくさんあるのですが、まずフレームの色です。オークの家具には暖色が強いものが多くて、置くと部屋のトーンが崩れてしまう。ENGAWA bedのフレームはニュートラルなトーンなので、この部屋のインテイリアの雰囲気を作ってくれています。

—— オークは普通にクリア塗装をすると黄色く出てしまう。この色は試行錯誤した部分なので、そう言っていただけてうれしいです。

あとは、高さが低いこと。この部屋はウォークインクローゼットを除いて18畳ほどで、そこにベッドもソファもダイニングテーブルもある。決して広くはないので、高さのあるベッドを置くと圧迫感が出るだろうなと思っていました。

地味なところでは、ベッドの下にフロアワイパーが入るのもうれしいです。ベッド下までちゃんと掃除したいタイプなので、オープンな構造がいいなと。

—— 縁側の部分は使っていますか。

毎日座って、縁側してます(笑)。ソファはあるんですけど、沈み込みすぎて疲れるんです。でもENGAWA bedだと、骨盤をマットレスが支えてくれるので、姿勢が悪くならない。これがすごく心地いい。寝る前によくここで本を読みます。

それから、手触りがよくて、つい触ってしまう。

考えてみると、普段の生活で木をちゃんと触る場面ってないんですよね。木のテーブルを使っていても、食事中にわざわざ天板を撫でたりはしない。でも、ENGAWA bedは触ってしまう。ちょっとした癒し効果があります(笑)。

—— オスモという自然塗料で仕上げています。テーブルの天板によく使われるウレタン塗装に対して、オイルは表面に塗膜をつくらないので木の手触りが残ります。保護用オイルを塗り重ねることで耐久性も確保しています。意図してやったことを自然に感じ取っていただけていて、うれしいです。

—— 今後やってみたいことはありますか。

実は、家を建てる計画があります。完成は数年先ですが。今は賃貸なのであきらめていることも多くて、新しい家では、知人の会社や友人にスタジオとして使ってもらったり、取材用にスペースを貸したりするのもいいなと考えています。

—— 寝室はどうする予定ですか。

まだ何も決めていませんが、ENGAWA bedは絶対に使いたいです。今は睡眠の質を考えて、パートナーとは別のベッドで寝ていますが、いい方法があれば教えてほしいです。

—— 2台を並べて、キングサイズのように使っている方が多いんです。少し離して置いて、あいだにサイドテーブルを入れている方もいらっしゃいます。

まるでホテルみたいで、いいですね。拡張できるのはうれしい。

—— 新しい家も楽しみです。ありがとうございました。

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